優しく、けれど寂しい

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優しいけれど、どこか悲しい。暖かいけれど、どこか寂しい物語。しかし癒しを与えてくれる話。ミヤザキ作品のようなヒューマニズムとノスタルジーのゴリ押しも無く、ただ日常に傷付き、それにも耐える“か弱き者たち”の生活を描いた作品です。数々の謎や伏線はほとんど解決されませんが、きっとそれらはハイバネたちの心の交流に比べれば瑣末なことなのでしょう。
総評としては『予定調和の救いの物語』といった趣きでしょうか。派手さもなく、強く訴える強引さもありませんが、見ていてホッとする、僅かな希望を分け与えようとするかのような語り口です。心が弱った時にこそ相応しい作品ではないでしょうか。