Angel Beats!

http://d.hatena.ne.jp/mowamowa/20100611/1276253976

世界観は灰羽に似ていると言われたこともあるけど、冒頭で「死んだ世界」と言っていることからその考えには同意できない。灰羽は消滅や転生に対する恐怖や葛藤や対抗意識をテーマにした作品じゃないし、過去のトラウマという分かりやすい主題を中心に据えたものでもない。もっとエグく、やさしい。そもそも、灰羽は世界に転送される段階で過去の記憶は全員消滅していて、生前のトラウマの解消や意図された日常の謳歌といった形而下の何かが消失条件ではない。そういう意味では消失条件に対する不条理さという点では灰羽が格段に上。

でもAngelBeatsは今日本で見る諦観に対する取り組みとしてはとても良いと思った。つらいときには勇気を出せる。葛藤から意味を見いだせる。灰羽は世界観の美しさに狙いを定めすぎていて、そういうタイプのメッセージを伝える作品じゃない。